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【北九州の探偵】婚姻費用、養育費の算定表とは。。。
皆様こんにちは，福岡県北九州市にある探偵事務所【総合探偵社レオ 北九州】の三原と申します。
浮気調査から素行調査まで幅広く探偵業務を行っておりますので宜しくお願い致します。
今回は、相談時に算定表の婚姻費用や養育費の金額についてお話しすることが多いので少しお話したいと思います。
別居中に支払われる【婚姻費用】、離婚後に子どもに支払わなければならない【養育費】の金額を決める際、参考にするのが
「簡易迅速な養育費の算定を目指して養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案」
と言って算定表と呼ばれるものがございます。
（※算定表はインターネットで調べればすぐに出てきます。）
１ 婚姻費用、養育費の算定表とは。
婚姻費用も、養育費も、夫が家族に対して負う生活費の支払義務です。
これは、家族に対して、「最低限度の生活を保つ義務」ではなく、「義務者の生活と同程度の生活を保つ義務」という意味です。つまり、離婚をした後、父親（義務者）が贅沢な生活をしながら、母親と子供（権利者）が貧しい生活をする、ということはおかしなことで、、、
母親や子どもらも同等の生活状況を維持しなければならないはずです。
もっとも、具体的にどの程度の金銭を渡せば生活保持義務を果たしたと言えるのかは、各家庭によって違うため、判断が非常に困難でした。
しかし、具体的な金額が決まるまで時間がかかってしまうのでは、その間生活費が支払われない状態が続き、家族の生活が破綻してしまいます。
そこで、簡易迅速に婚姻費用や養育費の金額を判断するためのツールとして、算定表が生まれました。
算定表では、まず夫婦それぞれの基礎収入（総収入から、税金や生活に必須の経費などを控除した、自由に使える金額のことです）を割り出し、それを世帯の構成員における生活費指数（構成員それぞれにかかる生活費の割合のことです）に従って分配する形で婚姻費用や養育費の金額が割り出されます。
この算定表によって、夫婦それぞれの年収と、子どもの人数が分かれば、婚姻費用や養育費のおおよその相場額が分かるようになったのです。算定表については、裁判所のホームページに載っていますので、一度ご自身の家族構成に置き換えて計算してみるといいでしょう。
２ 算定表は融通が利かない、、、
このように算定表が生まれたことで、婚姻費用や養育費の相場を迅速に判断できるようになり、調停等の話し合いでも算定表を手掛かりにスムーズな話合いがなされるようになりました。これは、すぐにでも生活費を確保したい家族にとっては非常に大きな利益と言えます。
しかし、算定表は決して絶対ではありません。よくあるケースを紹介しますが、各家庭には、算定表が想定していない特殊な事例が数多くあるからです。
①住宅ローンを支払う場合（夫の家出）
自宅を持つ夫が、浮気相手といたいからと家を出ていった場合、自宅のローンや、家賃等の住居費を支払い続けることがよくあります。妻と子どもが自宅に残り、今まで住宅ローンを支払い続けてきた夫が別居して引き続きローンを支払う場合がこれに当たります。（自分勝手な話ですが、、、）
しかし、算定表で導かれる金額は、こういった住居費も含まれた生活費になりますので、算定表通りの婚姻費用や養育費を支払いつつ、家族が住む住宅の住居費を支払っていたのでは、家族は、住居費を二重に支払っていることになってしまいます。
②夫の収入が年金の場合
定年退職後に別居する場合、夫の収入が年金ということもあります。年金は、労働して得た収入ではないので、給与所得者と比べて基礎収入は高額になります（労働に要する費用が存在しないため）。
しかし、算定表は給与所得者と自営業者の収入を前提に計算しているため、年金収入の場合に算定表で計算してしまうと、基礎収入が極端に少なく、結果として家族が損をする事態が生じてしまいます。
③収入額や子どもの人数、監護形態等。
算定表が想定しているのは、夫の年収２０００万円以下、妻の年収１０００万円以下、子どもの人数３人以下の家庭であり、それ以上の年収や子どもの人数の家庭では、当然ながら算定表で適切な金額を導くことは出来ません。また、算定表は別居・離婚した夫婦の一方が子ども全員の監護をしていることを前提としているため、夫婦それぞれで１人ずつ子どもの監護をしている場合等は、算定表が機能しないことになります。
３ 算定表通りの金額しか払わない！！
このようなケースを見ると、算定表から導かれる金額が絶対的に正しいものとはいえないことが分かると思います。算定表を作成した裁判官の説明でも、「算定表は、あくまで標準的な養育費を簡易迅速に算出することを目的とするものであり、最終的な養育費の額は、各事案の個別的要素をも考慮して定まるものである」と言われています。
が、しかし、、、
現実は算定表が定着してしまって、算定表の金額を絶対視する考え方が増えてしまいました。
各家庭の実情に応じた判断がされていない状況が増え、夫が算定表の金額以上の婚姻費用、養育費は払わないと言って来る事が殆どです。
調停等になれば気の利く裁判官は、特殊な事情を考慮することなく算定表の金額を支払わなければならないと説得することもありますが。
婚姻費用や養育費の金額をできる限り迅速に決めることは、確かに大切ではあるのですが、そのために実態と合っていない不公平な金額を決めてしまったのでは意味がありません。そもそも、婚姻費用や養育費の理念は生活保持義務にあるのですから、婚姻費用、養育費の金額を決める際は「算定表通りの金額」ではなく「生活が保持できる金額」を重視しなければならないとおもいます。
算定表通りの金額に不公平を感じる方は、算定表が想定していない事情が存在するのかもしれません。夫は、十分な生活費を確保するため、妻は、過度の負担を強いられないようにするためにも、算定表の金額に疑問を感じることがありましたら、弁護士の無料相談などを利用してみてください。
それではまた。
【写真】大分県の中津市で「コスモス祭り」が行われていましたので寄ってみました。
